アンケートで円グラフ - PHPでGDを使ってみよう
目次
- PHPでGDを使ってみよう
- GDの基本
- フォームとの連動
- アンケートで円グラフ
アンケートフォームで円グラフを表示する
GD の機能を利用して、フォームからのアンケート結果を円グラフで表示するプログラムを作成します。
プログラムの作成
以下のソースを入力してください。
<?php
$color = array(
array('赤', 255, 0, 0),
array('黄', 255, 255, 0),
array('緑', 0, 255, 0),
array('水', 0, 255, 255),
array('青', 0, 0, 255),
array('紫', 255, 0, 255),
);
$ed = file('gdenq.txt');
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) $ed[$i] = rtrim($ed[$i]);
// 画像表示時の処理
if ($_GET['image'] == 'yes') {
$sum = 0;
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) $sum += $ed[$i];
$ad = 0;
$deg = array(270);
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) {
$ad += $ed[$i];
$deg[$i + 1] = (int)(($ad / $sum) * 360) + 270;
}
header("Content-Type: image/png");
$img = imagecreate(200, 200);
imagecolorallocate($img, 255, 255, 255);
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) {
$c = $color[$i];
$col = imagecolorallocate($img, $c[1], $c[2], $c[3]);
imagefilledarc($img, 100, 100, 190, 190, $deg[$i], $deg[$i + 1], $col, IMG_ARC_PIE);
}
imagepng($img);
exit();
}
// 投票時の処理
if ($_POST['submit']) {
$ed[$_POST['cn']]++;
$fp = fopen('gdenq.txt', 'w');
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) {
fwrite($fp, $ed[$i] . "\n");
}
fclose($fp);
}
?>
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN">
<html lang="ja">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS">
<title>アンケート</title>
</head>
<body>
<form method="post" action="gdenq.php">
あなたが好きな色は?<br><br>
<?php
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) {
print "<input type='radio' name='cn' value='$i'>{$color[$i][0]}<br>\n";
}
?>
<br>
<input type="submit" name="submit" value="投票">
</form>
<img src="gdenq.php?image=yes"><br>
<?php
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) {
print "{$color[$i][0]} {$ed[$i]} 票<br>\n";
}
?>
</body>
</html>
入力が終わったら「gdenq.php」というファイル名で保存し、サーバにアップしてください。
データファイルの作成
次に、アンケートの結果を格納するデータファイルを作成します。「gdenq.txt」という名前の新規テキストファイルを作成し、以下のように入力してください。
1
1
1
1
1
1
その後、サーバにアスキー転送モードでアップし、ファイルの属性変更から「その他」に書込許可属性を与えてください。
実行
gdenq.php をブラウザで実行し、実際に投票ができるか確認してみてください。
ソースの解説
$color = array(
array('赤', 255, 0, 0),
array('黄', 255, 255, 0),
array('緑', 0, 255, 0),
array('水', 0, 255, 255),
array('青', 0, 0, 255),
array('紫', 255, 0, 255),
);
配列 $color にアンケートの項目と色(赤・緑・青の輝度)が順番に入ります。PHP では配列の中に配列を入れ子にすることで、2次元配列のように使うことができます。上記の場合では、$color[0][0] → 赤、$color[0][1] → 255、$color[0][2] → 0、…のような2次元配列になります。
$ed = file('gdenq.txt');
gdenq.txt には、各アンケート項目の結果の値が改行区切りで入っています。それを配列 $ed に格納しています。
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) $ed[$i] = rtrim($ed[$i]);
各行の改行が邪魔なので rtrim 関数によって削除しています。
if ($_GET['image'] == 'yes') {
画像を表示する場合は、if 文内の処理を行ないます。
$sum = 0;
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) $sum += $ed[$i];
$sum に票数を全て加算したものを代入します。
$ad = 0;
$deg = array(270);
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) {
$ad += $ed[$i];
$deg[$i + 1] = (int)(($ad / $sum) * 360) + 270;
}
配列 $deg には各アンケート項目に対する円弧の開始角度が入ります。GD で円弧を描画する場合、時計の 3 時の地点が 0 度になり、時計回りに角度が進んで行きます。円グラフなので 270 度を足して 12 時の地点から開始するようにしています。
$img = imagecreate(200, 200);
円グラフ用に 200 × 200 ピクセルの画像を作成します。
imagecolorallocate($img, 255, 255, 255);
円グラフの背景を白にします。
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) {
各項目分の円弧を描画します。
$c = $color[$i];
$col = imagecolorallocate($img, $c[1], $c[2], $c[3]);
円弧の色を、各項目の色に設定しています。
imagefilledarc($img, 100, 100, 190, 190, $deg[$i], $deg[$i + 1], $col, IMG_ARC_PIE);
自項目の開始角度から次の項目の開始角度まで円弧を描画します。
imagepng($img);
exit();
画像を出力して、ここで終了します。
if ($_POST['submit']) {
投票ボタンが押されたときは if 文内の処理を行ないます。
$ed[$_POST['cn']]++;
ラジオボタンで選択された項目の値をひとつ増やしています。
$fp = fopen('gdenq.txt', 'w');
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) {
fwrite($fp, $ed[$i] . "\n");
}
fclose($fp);
データファイルを書き込み用にオープンし、新しい項目の値を一行ずつ書き込んでいます。
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) {
print "<input type='radio' name='cn' value='$i'>{$color[$i][0]}<br>\n";
}
アンケートの項目を選択するためにラジオボタンを表示している部分です。項目が選択されると、POST メソッドの変数 cn に選択された項目の番号(上から順に 0, 1, 2, 3, 4, 5)が入ります。
<img src="gdenq.php?image=yes"><br>
画像を表示するために、GET変数 image に yes を代入して自分自身を呼び出しています。
for ($i = 0; $i < count($color); $i++) {
print "{$color[$i][0]} {$ed[$i]} 票<br>\n";
}
各項目と票数を出力しています。